広告業界でデータサイエンティストとして働く場合、平均年収は600万円ほどになります。
このデータサイエンティストとは、データアナリストとも呼ばれビッグデータの分析や解析をし、売り上げにつなげ、ビジネスに付加価値を生む職種です。
DX化が進みデータサイエンティストの需要は今後高まっていくことが予想されるなか、本記事では、広告業界でデータサイエンティストとして働きたい方に向けて情報を発信していきます。
具体的には、冒頭で紹介した平均年収、活躍場面、必要スキルなどについて紹介しますので、データサイエンティストを目指したいという方は参考にしてみてください。
広告業界でデータサイエンティスト(データアナリスト)を採用している企業について
ビッグデータを使いつつ、事業の課題や問題を解決する場合に幅広く活躍するのがデータサイエンティストです。
クライアントのニーズに合わせ、ターゲティングをすることが重要な広告業界では、データサイエンティストは重要な職種です。
本項では、そんな広告業界におけるデータサイエンティストを採用している企業について紹介します。
■アイレップ
株式会社アイレップはネット広告を主な事業とし、クリエイティブ及びITソリューションを提供するマーケティングエージェンシーです。
アイレップでは、Webサイトのアクセスログデータなど様々なデータを活用して課題の発見や改善プランの提供ができる人材を募集しています。
詳細としては、GoogleアナリティクスやAdobe AnalyticsなどのWebサイトの解析ツールを活用した分析、ローデータの解析、BI及びMIツールの構築や導入などを支援できる人材を求めているようです。
業務範囲は「課題の整理」、「仮説の立案」、「分析による仮説検証」「課題解決に向けた示唆抽出」としています。
また、アイレップはリスティング広告などのインターネット広告やSEOを実施している企業ですが、以下のようなコミュニケーション戦略を実施しています。
- ・顧客の業態やマーケティングにおける課題を理解して集客施策
- ・クライアントの企業ブランド向上
- ・新商品認知の早期獲得
- ・商品やサービスの理解浸透
上記を理解して事業拡大に貢献できる方が、アイレップで活躍できるといえるでしょう。
■サイバーエージェント
株式会社サイバーエージェントはインターネット広告をはじめ、AbemaTVやゲームアプリなど幅広くITサービスを提供する会社です。
このサイバーエージェントのAI事業本部ではデジタルマーケティング分野に特化した開発や研究を行っており、この事業部でデータサイエンティストを募集しています。
この部門では、アドテクノロジーや小売DX、AIクリエイティブ、AIシフト、新事業の5部門ありそれぞれ異なるアプローチで課題の定義や解決に従事しているようです。
具体的なデータサイエンティストの業務内容は以下の2つです。
アドテクノロジー領域
この領域では大きく以下の5つの業務内容があります。
- ・広告のCTR/CVRなどの予測モデル
- ・ダイナミックリターゲティング広告での商品のレコメンデーション
- ・広告クリエイティブ選択アルゴリズム
- ・オークション理論などを用いた入札戦略
広告配信におけるデータ分析や解析を行い、最適な状態で広告配信を支援することが想定されるでしょう。
小売DX領域
ユーザーの来訪予測、購買予測の精度向上があり、これはユーザーが来店する店舗を予測したり、広告に接触したユーザーの来店率及び購買率の分析を行います。
■東急エージェンシー
株式会社東急エージェンシーは様々なマーケティングソリューションを立案し、広告主の課題解決を実施する広告代理店です。
東急エージェンシーでは、同社独自のソリューションを駆使しつつ、ビッグデータを活用しクライアントのマーケティングプロセスにおけるDXを支援するデータサイエンティストを募集しています。
詳細の業務内容として、クライアントの保有するビッグデータから確度の高い見込み顧客を発掘し、Target Finderの導入や運用を実施しています。
加えて、その他の顧客保有データやサードパーティーデータなどをもとにPDCAを回し、戦略立案を行いクライアントとエンドユーザーの結びつけに貢献します。
データサイエンティスト(データアナリスト)の平均年収・年収(推定)偏差値
平均年収 | 年収偏差値 |
---|---|
推定 600万円 | 73.3 |
データサイエンティストの平均年収は600万円(推定)です。
国税庁が公開している「令和元年分民間給与実態統計調査結果」の内容として、民間企業の1人あたりの平均給与は436万円であるとされているため、平均年収より100万円以上高い金額であるといえます。
なお、企業によっては、スキルや実績に応じて年収1,000万以上を掲示している場合もあります。年収が高い理由としては、IT化により企業側の需要が高まりに対し、専門性のあるAIを使いこなせる人材不足が挙げられるためです。
一般社団法人データサイエンティスト協会が実施している「データサイエンティストの採用に関するアンケート調査結果」では、データサイエンティストを採用しようとした58%の企業が目標人数を確保できていない結果を示しています。
加えて、データサイエンティストは需要拡大が考えられます。
平均年収が高い同職種であるため、転職を考えている場合はデータサイエンティストの仕事をご検討してみてはいかがでしょうか。
広告業界でデータサイエンティストが活躍する場面について
IT技術の進歩やDXが浸透していくなかで、情報データは溢れています。
先ほどまでお伝えしているビッグデータは、この情報データが大容量になり複雑化した集合データの名称です。
このビッグデータはそのままでは意味をなさず、データサイエンティストが分析や解析をして初めて活用できるのです。
データ分析を行い、常にABテストをし続けなければいけない広告業界においては、必要な職種であるといえるでしょう。
アドテクノロジーは、企業IPやユーザー情報など細かいデータを扱う場合が多く、データ活用が上手く活用できる企業ほど、広告経由の認知度アップや売り上げ向上の面で成功しています。
そのため、これらのシーンでデータサイエンティストは活躍ができるでしょう。
データサイエンティストとして入社する場合、基本的に資格や学歴は必要ありません。
しかし、ビッグデータの分析や統計学に関する知識はもちろんのこと、技術的なスキルが求められることは多いです。
例えば、プログラミングのスキル(Python、Java、C言語など)やデータ分析ツールを使いこなすためのソフトウェアの知識、統計学、データマイニングなどが挙げられます。
また、一般社団法人データサイエンティスト協会は、データサイエンティストのスキルセットを次の3つに分類していますので紹介します。
- ビジネス力(business problem solving):課題背景を理解して、ビジネスの課題を整理・解決する力
- データサイエンス力(data science):情報処理や人工知能、統計学など、情報科学系の知恵を理解し、使用する力
- データエンジニアリング力(data engineering):データサイエンスを意味ある形に使用できるようにして、実装・運用する力
上記のスキルセットは、データサイエンティストの力を発揮するために必要不可欠です。
領域によっては得意不得意が人によってはありますが、このスキルセットはデータサイエンティストになるために身に付けられるようにしましょう。
まとめ
広告業界におけるデータサイエンティストとして活躍するためのスキルや年収をテーマに紹介しました。
広告業界は常に数字をみてトライアンドエラーを繰り返す業界です。
そのため、ビッグデータの分析や解析をはじめとするデータマーケティングのスペシャリストが必要不可欠です。
小規模の企業によっては広告運用者がデータ分析も行っていますが、専門的ではないためデータサイエンティストの需要は今後上がっていくことが予想されます。
データサイエンティスト協会が求めるスキルセットに自信がある方は、目指してみてはいかがでしょうか。
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