IT業界の技術職の中で「インフラエンジニア」という職種が注目されています。IT業務に必要な基盤づくりを主な業務としており、今後の日本で欠かせない職種の1つです。
インフラを一連の流れでつくる達成感や高収入を得やすいことから、未経験からでも転職しようと考える人も多いでしょう。
そこで今回は、そんなインフラエンジニアの業務や、転職する際に知っておきたい必要なスキルについて紹介します。
インフラエンジニアとは
「インフラエンジニア」とは、ITシステムやWebサービスの基盤となる仕組みをつくる職種のことです。
インフラエンジニアの業務はインフラの設計や構築、運用をするだけではありません。
正しくネットワークが使われているかを監視したり、メンテナンスしたりする役割も含まれています。IT社会となった現代では、欠かせない職業といえるでしょう。
また、インフラエンジニアに必要なのは知識、技術だけでなく、ユーザーやクライアントが求めるインフラがどのようなものかを引き出すコミュニケーション力や企画力なども必要です。
そのため、未経験であってもITの知識やスキルを磨けば、異業界でも活躍できる可能性が十分にあります。
このように、インフラエンジニアはIT業務に不可欠なネットワークやプログラムをつくる技術者といえます。
インフラエンジニアの仕事内容
インフラエンジニアの仕事は、主にインフラの「設計」「構築」「運用」の3つに分かれます。
基盤づくりの一連の流れを、インフラエンジニアは担っているのです。ここからは、具体的な仕事内容について紹介します。
■インフラ設計
インフラの設計は、システム開発の第一歩といえる段階です。
どのようなシステムやインフラをつくるのかを事前に計画し、仕様書や設計書に落とし込みます。
計画と設計書をもとに、必要になる予算や運用にあたってのスケジュールを組み立てます。また、想定されるユーザー数や起こりうるトラブルに対応できるように計画しなければなりません。
全ての内容を踏まえ設計するのは、インフラエンジニアの知識が必要不可欠です。
ITに必要なものも、通常のモノづくりと同様に「設計」が重要といえるでしょう。
■インフラ構築
インフラ構築は、設計書をもとに実際に基盤づくりを行う段階です。
設計書通りのインフラを作るために、提供する内容に沿って専用機器を使って作業をします。
個人のパソコンでダウンロードするようなプログラムとは異なり、膨大なデータやプログラムを活用して構築します。そのため、仕様書に従いながら忠実に基盤を作る技術と知識が必要です。
一方、自らITシステムを作り上げることにやりがいを感じている人も少なくありません。
インフラ構築は専門的な技術、知識を使う難しさもありますが、インフラエンジニアの魅力といえるでしょう。
■インフラ運用
インフラ運用は、開発したインフラが正常に運用されているか監視する業務です。
設計の時点で想定している範囲内で運用されているかを確認することで、トラブルが生じた際にすぐに対応できる体制を作ります。
特に、ユーザーの規模が多い大規模なインフラの場合、一斉アクセスによってサーバーダウンのようなトラブルが起こる可能性があります。
また「ネットワーク接続ができない」「プログラムにログインできない」なども考えられるでしょう。
インフラエンジニアは、これらの問題の原因を見極め、解決のために必要な対処をします。円滑にIT業務を行えるのは、インフラエンジニアの活躍が起因しているといえるでしょう。
インフラエンジニアの種類
インフラエンジニアには、大きく分けて「ネットワークエンジニア」と「サーバーエンジニア」「保守/運用エンジニア」と区分があります。
扱うインフラによって種類が分かれており、どちらも業務内容は似ているものになっています。
具体的な業務内容について、以下で違いを比較しながら解説します。
■ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアは、サーバーを接続して情報の送受信が行えるようにネットワークを設計・接続する職種です。
具体的には、コンピューターやサーバーといった機器をルーターやスイッチを使ってネットワークに接続します。
ネットワークを効率よく安全に接続するためのネットワークの構築が、大きな役割となっています。
機器の設定も業務になるため、機械を取り扱うのが好きな人にはおすすめといえるでしょう。クライアントの要望に沿ったネットワークの基盤づくりが業務となります。
■サーバーエンジニア
サーバーエンジニアは、コンピューターやプログラムなどのサーバーの選定からテスト運用までの業務を行う職種です。
ネットワークエンジニアと違い、メールサーバーやWebサーバーといったサーバーの運用が役割です。
そのため、各サーバーに対する知識が必要となります。
また、物理的なサーバーを使わなくなりつつある現代は、クラウド上のサーバーを使用することも少なくありません。クラウドや仮想環境に対応するための構築技術や知識を求められます。
■保守/運用エンジニア
保守/運用エンジニアは、セキュリティエンジニアとも呼ばれます。上記の2つとは異なり、サーバーのセキュリティに特化した役割を担います。
高度なサイバー攻撃に対応するには、インフラのセキュリティ面の強化が重要です。そのため、クライアントの要望に沿ったセキュリティソフトの設計、運用を実施します。
セキュリティエンジニアになるには、ネットワークエンジニア、サーバーエンジニアの知識や経験が必要不可欠です。
インフラエンジニアとして経験値を積んだのち、キャリアアップとして目指せるとよいでしょう。
インフラエンジニアに転職するためのスキル
はじめに紹介したように、インフラエンジニアに転職するには「技術面でのスキル」と「ヒューマンスキル」のいずれも求められます。
それぞれの内容については以下の通りです。
1. 技術面でのスキル
インフラエンジニアは、ITに関する内容を取り扱います。そのため、プログラミング言語に関する最低限の知識は保有しておかなければなりません。
「Java」や「PHP」といったプログラミング言語は求人ニーズが高いワードともなっており、習得しておくことで転職活動の際に有利に働くでしょう。
また、インフラエンジニアにはサーバーやネットワーク、セキュリティに関する知識は業務で必要不可欠といえます。
業務の中で経験値は上げられますが、知識が皆無だとその業務にすら入れません。
特に、未経験でインフラエンジニアに転職する場合、ITパスポートなどの国家資格や企業で主催する技術者の資格取得を目指して知識を身につけるとよいでしょう。
2. ヒューマンスキル
インフラエンジニアは、単に知識と技術があるだけでは業務を遂行できません。
インフラを開発してほしいという依頼には、必ずクライアントが存在します。
クライアントの求めているシステムはどのようなものかを見極めるために、コミュニケーションを円滑にとる力が求められるのです。
また、他の技術者とチームになって業務を進めることもあるため、チームワークを大切にしながら働くのも大切なスキルといえます。
構築の段階では、作業の管理をしてマネジメントする力も、インフラエンジニアに必要となるでしょう。
的確な管理ができていれば、運用開始までの構築の計画もスムーズに立てられます。
このように、異業界で働いていたとしても身につけられるスキルをインフラエンジニアになっても活用できます。
転職の際のアピールポイントにもなるため、知っておきましょう。
まとめ
インフラエンジニアは、ITシステムによって成立している現代社会では欠かせない職種です。
サーバーやインターネットの基盤を作る業務は、今後活躍の幅が広がるでしょう。
インフラエンジニアは無資格でも転職できる魅力的な職種ですが、実際に転職するにはスキルが求められます。
インフラエンジニアへの転職を考える人は、必要な知識を身につけ、エンジニアに必要なヒューマンスキルを磨いておくことをおすすめします。
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