AIエンジニアは業界未経験でも目指せる人気の職種です。AIやディープラーニングを活用してシステム開発ができるやりがいのある仕事といえます。
転職でAIエンジニアを目指す際は、AIエンジニアが押さえておきたい知識を蓄える検定や、資格試験を受験することをおすすめします。
必要な知識をつけるだけでなく、企業へのアピールにもなり転職活動が有利に進むでしょう。
そこで今回は、AIエンジニアに転職する際におすすめの資格を5つ紹介します。
AIエンジニアが資格取得で転職が有利になる理由
AIエンジニアは、AIシステムを開発する職種です。AIシステムを活用することで、これまで人では難しいとされていた予測や学習、判断などがAIによって実現できます。AIが活躍する場面は広がりつつあり、それを開発して管理するAIエンジニアは今後さらに注目を集めるでしょう。
実は、AIエンジニアという資格は存在せず、学歴も問われません。
ただし、実際に業務に携わるためには、AIエンジニアとして最低限知っておくべき知識やスキルを求められます。機械学習やディープラーニングなどの技術とともに、専門的な知識を学習しなければなりません。
そこで注目されるのが、プログラミングやデータ分析などの資格取得です。主にエンジニア向けに作られた資格試験があり、どれも実践に活かせるでしょう。合格すれば、相応の知識を有していると評価され、未経験で転職する際に他の人より有利に進めます。
【AIエンジニアの転職で有利になる資格①】E検定
「E検定」とは、ディープラーニングエンジニア向けの検定です。ディープラーニングの実践的なスキルを問うものが多く出題され、AI開発を専門とするAIエンジニアにおすすめの資格となります。
受験資格を取得するには、主催する日本ディープラーニング協会の認定プログラムを受け、修了しなければなりません。また、AI技術の応用編を理解していないと難しい問題が多く、まずは基礎知識を問う「G検定」から挑むとよいでしょう。
IT関連の知識が全くない人にとっては難易度が高くなっていますが、プログラミングや情報処理を学んできた人は、これまでの知識に加えて新しい領域を開拓できるため、ぜひ挑戦してみてください。
項目 | 内容 |
---|---|
主催の企業・団体 | 団体:日本ディープラーニング協会(JDLA) |
資格の概要 | ディープラーニングエンジニア向けの資格
応用数学、機械学習、深層学習などの知識が問われる |
難易度 | やや高め(エンジニアやプログラミング等の知識を有している人向け) |
【AIエンジニアの転職で有利になる資格②】統計検定
「統計検定」とは、その名の通り統計学を中心とした検定です。検定は級ごと、職種ごとに分かれます。
一番難易度の低い4級は、表やグラフの読み取り、確率といった中学レベルの知識を問うものになっています。AIエンジニアを目指すには、最低でも大学基礎程度の知識を問う2級は合格しておきたいものです。
また資格試験は「統計調査士」「専門統計調査士」の2つがあります。統計調査士は3級程度、専門統計調査士は2級程度の知識に加えて、統計学を実践で使う際の活用法やデータ作成などの知識を問われます。
2021年から追加されたのが、データサイエンスに特化した検定です。AIやデジタル社会に必要な知識を問うもので「基礎」「発展」「エキスパート」の3つの難易度が用意されており、学生から一般まで幅広く受験可能です。
AIエンジニアをはじめとする、データサイエンスを扱う職種を目指す人に注目されています。受験がまだ行われておらず合格率は不明ですが、「発展」の試験においては大学専門知識程度が必要です。統計学はAIエンジニアには必要不可欠な知識のため、受験して学びを深めておくとよいでしょう。
項目 | 内容 |
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主催の企業 | 一般財団法人 統計質保証推進協会 |
資格の概要 | 1級~4級の等級試験:中学生から一般まで受験可能
(エンジニアとして取得しておきたいのは最低でも2級の大学基礎程度の知識) 基礎的な統計学の知識から、データ分析の応用まで多岐にわたる
資格検定:統計調査士、専門統計調査士 統計学の専門知識に加え、データ活用方法の能力を問われる 専門統計調査士が上位の資格となる
データサイエンス:基礎、発展、エキスパート 学生から一般まで受験可能 コンピューター上での解析、読み取りなどデータサイエンティストに必要な専門知識を問われる |
難易度 | 等級が上がるにつれて難易度が高くなる
資格合格率は、統計調査士約50%、専門統計調査士は約30% データサイエンスの検定は大学知識程度が必要 |
【AIエンジニアの転職で有利になる資格③】Python3エンジニア認定データ分析試験
「Python3エンジニア認定データ分析試験」とは、Pythonを用いたデータ分析の基礎や応用に関する資格試験です。Pythonはプログラミング言語で、世界で最も使用されています。
AIや機械学習のプログラミングでも使われるため、AIエンジニアを目指す人は習得しておきたい知識といえます。問われる内容は、AI学習に必要な数学や、分析ライブラリの運用知識など、エンジニアが身につけておきたい基礎的なものがメインとなっています。
また、どのようなコードを入力しなければならないのかを問う実践的なものも含まれるため、基礎も含めて学習しておきましょう。先ほど紹介したE検定に比べ、基礎的な内容が多い傾向にあります。そのため、先にこちらの検定で基礎を身につけることをおすすめします。
項目 | 内容 |
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主催の企業・団体 | 一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会 |
資格の概要 | プログラミング言語を用いた分析、数学基礎など基本となる内容を問われる |
難易度 | やや易しい |
【AIエンジニアの転職で有利になる資格④】G検定
「G検定」とは、ディープラーニングの基礎知識や人工知能、法律などを中心とした検定です。内容の幅は広くなっていますが、基礎的なものを問うものが多く、これからAIエンジニアを目指す人でも挑戦しやすくなっています。
勉強法はAIの基礎知識をまとめた参考書や試験対策本が役立ちます。G検定の勉強をすることによって、そもそも機械学習やディープラーニングとはどのようなものか、触れる機会にもなるでしょう。
また、G検定の上位検定であるE検定や、その他の資格を目指す準備段階として受験してみましょう。
項目 | 内容 |
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主催の企業・団体 | 日本ディープラーニング教会(JDLA) |
資格の概要 | データサイエンスに関わる人や、これからAIを学びたい人など幅広く対応
人工知能(AI)、機械学習、ディープラーニングなどの基礎知識を問う |
難易度 | 易しい(初心者向け) |
【AIエンジニアの転職で有利になる資格⑤】AI実装検定
「AI実装検定」とは、ディープラーニングの体系的な知識や実践につながるスキルを問う検定です。「AIを1000万人が学ぶこと」を検定のビジョンとして掲げ、中学生以上であれば誰でも受験ができます。
そのため、AIに興味がある人や、AIの実務に使える知識を学びたい人などにもおすすめです。受験できる等級は「S」「A」「B」のそれぞれ級に分かれており、B級からS級になるにつれて難易度が上がります。
A級に合格できれば、先ほど紹介したE検定を受けられる知識を得たことになります。等級を徐々に上げてS級に合格すれば、実践に使えるディープラーニングの知識があると認められるでしょう。
AIエンジニアだけでなく、未経験からディープラーニングを活用した職種を目指す人も、受験をおすすめします。
項目 | 内容 |
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主催の企業・団体 | 株式会社EQUATION |
資格の概要 | ディープラーニングの実装に必要な基礎数学、プログラミング、基礎理論などが問われる
等級が上がると基礎知識に加えて応用問題が出題される |
難易度 | 等級が上がるにつれて難易度が高くなる
やや易しい |
まとめ
AIエンジニアは、機械学習やディープラーニングの技術が向上する近年では、欠かせない存在です。エンジニアとして知識と技術をつけられれば、社会に役立つ仕事をできるようになり、やりがいを感じられるでしょう。
AIエンジニアに転職するためには、積極的に資格試験や検定を受けることをおすすめします。未経験でもエンジニアとして活躍するためには、必要な知識を学んできたことを企業側にアピールしなければなりません。
AI実装検定やG検定は、これからAIに関する知識をつけたい初心者でも合格できる検定です。転職活動の際には、資格取得を目指して知識を身につけ、転職活動を有利に進めましょう。
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