通称SEと呼ばれるシステムエンジニアは、エンジニアの中でも知名度が高いため名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
本記事では、システムエンジニアの概要や仕事内容、転職に必要なスキル、システムエンジニアにおすすめのスキルなどをご紹介します。
システムエンジニアとは
システムエンジニア(SE)とは、プロジェクトやチームの管理、またはシステムの設計書などを作成するエンジニアを指します。
主に、クライアントの要求に合わせて作成します。
予算や人員、進捗管理などのマネジメントも仕事に含まれます。
実際に担当する領域は得意分野によって分かれますが、サーバー系、ネットワーク系、クラウド系、セキュリティ系などがあります。
■プログラマーとの違い
システムエンジニアは、要件定義から設計までの上流工程と呼ばれる部分を主に担当します。
一方で、プログラマーはプログラミングから保守運用までの下流工程と呼ばれる部分を担当します。
ただし、設計段階にプログラマーも参加したり、プログラミングにシステムエンジニアが参加することもあります。
そのため、企業によっては兼任している場合もあるでしょう。
プログラマーとして現場で経験を積み、システムエンジニアとしてキャリアアップを目指す方も多くいます。
■どんな職場や仕事で活躍するのか
システムエンジニアは、システムの企画・設計・構築に関わるため、SIer(システムインテグレータ)系の企業が代表的な就職先候補といえます。
また、一般企業の「システム部門」や「情報部門」などのIT系部署、社内システムエンジニアとして働く方法もあります。
システムエンジニアの仕事内容
システムエンジニアの仕事内容は大きく分けて「要件定義」「基本設計」「詳細設計」「テスト」「保守・運用」の5段階あります。それぞれご紹介します。
■要件定義
要件定義は、クライアントから話を聞き、どのようなシステムを望んでいるのかを聞き取ることです。
ヒアリングとも呼ばれ、工程の第1段階になります。
クライアントは必ずしもシステムの知識が豊富とは限りませんので、会話の中でどのようなシステムを望んでいるのかをしっかり聞き取ることが重要です。
またすべての要望を叶えることは難しいため、期間や予算に応じたシステムを提案します。
そして、プログラマーにどのようなシステムを作ればいいのか指示を出します。
■基本設計
クライアントのニーズに沿ってシステムの設計を行います。
業務の流れや機能の洗い出し、画面のレイアウトなどシステム全体の構成を設計します。
■詳細設計
基本設計で定めた機能に対して、どのような技術や仕組みで実現するのかを設計します。
設計書通りにシステムが動くように、細かな設計を行います。
プログラマーが、プログラミングするための具体的な設計を出します。
■テスト
プログラミングが完了してシステムが出来上がったら、設計通りに動くかどうかテストを行います。設計書などを比べて、ミスや反映漏れがないかどうかをチェックします。
■運用・保守
システムは納品して終わりではなく、運用と保守を継続して行う案件もあります。
運用では「トラブルを未然に防ぐこと」が大切です。
必要であれば、改修や追加機能を実装します。
保守では障害対応を行います。
トラブルが発生した際に、どれだけ迅速に復旧できるかどうかが重要なため、幅広い知識が必要となります。
システムエンジニアが転職に必要なスキル
転職には、ある程度のスキルがあることを証明できる方が有利でしょう。
ここでは、システムエンジニアに必要とされるスキルの一例をご紹介します。
■技術的スキル
システムエンジニアは、プログラミングの前段階となる設計を行うため、プログラミングの基礎知識が必要です。
さらに、クライアントにシステムの提案や説明などを行う際にも専門的な知識が必要でしょう。
コンピューター全般、ネットワークに関する知識、システムの設計図に必要な設計力などを学ぶのがおすすめです。
■コミュニケーションスキル
技術力と共に必要となるのがコミュニケーションスキルです。
システムエンジニアは、1日中プログラミングをしているだけでなく、クライアントから直接要望を聞き、相手が求めているものを正確に理解できなければなりません。
また、クライアントはシステムに関する専門知識がないこともあるため、期間や予算で厳しい条件を提示されることもあります。
厳しい条件である場合、クライアントと話し合って合意点を見つけ、無理なく目標を達成できる契約を締結させる必要があります。
さらに、チームをまとめながら業務を行わなければいけない場面も多いでしょう。
そのようなときに、コミュニケーション能力が必要となります。
■マネジメントスキル
システム開発は厳しいスケジュールで行われることもあります。
そのため、業務が滞りなく行えたり、スタッフへの無理のないスケジュール管理を行うためのマネジメント能力が求められます。
特にシステムエンジニアは多くのメンバーと関わるため、円満な人間関係を維持しながら業務を進められるようにする能力が求められるでしょう。
■論理的な思考スキル
クライアントの要望を整理し、求められた内容を設計に落とし込むには論理的思考が欠かせません。
顧客の要望をきちんとくみ取れていなければ、システム導入後も大幅な改修が必要になったり、汎用性のないプログラムが出来上がる可能性があります。
そのため、相手が求めているものをきちんと理解できるだけの論理的思考を身に付ける必要があるでしょう。
システムエンジニアの資格
システムエンジニアへの転職を考えているなら、資格があると有利になることが多いです。
ここでは、システムエンジニアにおすすめの資格を2つご紹介します。
■システムアーキテクト試験
システムアーキテクト試験は、情報処理技術者試験でレベル4に位置する国家資格です。クライアントの要望を正確にくみ取り、システムの根幹となる基礎設計を的確に行えることを証明できる資格です。
システムアーキテクトは、システムエンジニアのさらに上位に位置付けられることもあります。
システム構造の設計や開発に必要な要件の定義、システム方式の設計や情報システムを開発する業務や、組み込みシステムの要件を調査分析し、ハードウェアソフトウェアを取りまとめる業務に携わりたい方に向けた資格です。
■ネットワークスペシャリスト試験
ネットワークスペシャリスト資格は、ネットワークの固有技術からサービス動向に精通し、大規模なネットワークシステムを構築・運用ができるエンジニアの方向けの国家資格です。
この資格があれば、企画や要件定義に携われる高い能力があることを証明できます。
試験では、ネットワークについての幅広い知識や状況に合わせた選択が求められます。
また、ネットワークシステムの要求仕様の作成や設計、構築、運用すべてに対応可能であることも証明できる資格といえるでしょう。
まとめ
システムエンジニアは、プログラミングをするというより、その前段階である企画や設計、構築に関わる仕事を行うエンジニアです。
人と関わることが多いため、コミュニケーション能力やマネジメント能力が求められる仕事でもあります。
転職の際には、技術面だけでなく、コミュニケーション能力やマネジメント能力についてもアピールできるとよいでしょう。
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