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大学でデータサイエンスを学ぶには?社会人で博士号取得を目指すなら必見

大学でデータサイエンスを学ぶには

データサイエンスは、今ではビジネスや社会に欠かせない研究・技術のひとつとなり、今後もますます需要増が見込まれています。ニーズの高まりに伴い人材不足も懸念されており、国をあげて人材育成の支援が行われていることから、社会人でも学ぶことができる場や機会が増えています。

本記事では、データサイエンス需要の現況や、データサイエンティストに求められるスキル、社会人にも学びの場を提供している大学などを解説します。

ますます需要が高まるデータサイエンス

 
最初に、データサイエンスがビジネスや社会でどのように活かされているかの現状や、注目されるようになった理由などを説明します。

 
■データサイエンスの意義

データサイエンスとは、統計学や数学、機械学習、プログラミングなど、さまざまな領域の理論を活用して膨大なデータの分析を行い、有意義な洞察を導き出すための研究分野のことです。

テクノロジーが進歩した現代社会では、ECサイトや店舗の売り上げ、自社の顧客情報、監視カメラで捉えた映像データ、医療現場のカルテなど、さまざまな場やシーンにおいて、膨大な量のデータが蓄積されています。いわゆるこれらのビッグデータを解析することで、ビジネスや社会、人々の暮らしに役立てようとする研究や技術が、データサイエンスといわれます。

 
■社会・ビジネスに欠かせないデータサイエンス

データサイエンスが注目されるようになった背景には、インターネットの普及と、テクノロジーやAIの進化があります。

今の社会はインターネットが一般化し、行き交うデジタル情報の量が爆発的に増加しています。多くの人がスマートフォンを利用して、さまざまな情報を取得・活用するようになり、IoT機器が増えたことから、家庭や工場の電子機器や家電、自動車などからも、多様な情報が収集されています。企業は、DX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みを加速させ、業務の効率化やグローバル化を進めています。このように増大したデータは、データサイエンスによって、ビジネスや暮らしの利便性向上に変換できます。こうした理由から、データサイエンスの注目度が高まるようになりました。

また、AIで用いられる機械学習やディープラーニングの精度が上がり、身近に使われるようになったのも、データサイエンスを拡大した要因です。

ビジネスや社会生活に直結するデータサイエンスは、さまざまな分野で活用されています。データを活かした研究やマーケティングなど、企業の経営戦略構築などに活かすことはもちろん、農業・漁業などの一次産業、金融・保険証券、医療・製薬・臨床検査、旅行・観光、運輸運送業、飲食・小売、気象予報、都市計画・インフラ整備など、あらゆる産業や経済の活性化に役立てることができます。芸術やスポーツなどの応用分野への拡大も、一層進むことでしょう。

今後はさらに5GやIoTなどの普及が進むことから、データサイエンスによる今以上の大きなビジネスの変革が期待されています。

 
■データサイエンティストの人材育成が急務に

データサイエンスの拡大・普及が予測される中で、優秀なデータサイエンティストの人材不足も懸念されています。データサイエンスで求められる人材は、数学やアルゴリズムなどの理系知識だけの保有者ではなく、データをビジネスや社会に役立つカタチに変換できる、広範な知識とビジネスセンスを持った人です。

一般社団法人データサイエンティスト協会によると、データサイエンティストには、「ビジネス力」「データサイエンス力」「データエンジニアリング力」というスキルが求められるとしています。必要な知識やスキルの範囲が広く、身につけることが難しいことから、充実した教育を推奨する、国による人材育成支援制度が増えてきました。

 

データサイエンスが高校・大学の教育プログラムに

 
データサイエンスのニーズ増に合わせて、国をあげたさまざまな人材育成の支援が実践されています。
 

■全ての大学生がデータサイエンスを学べるように

国によるデータサイエンスを担う人材を育成する支援のひとつが、文部科学省によって制定された「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」です。大学の正規課程で、データサイエンスや数理、AIに関する知識と技術について、体系的な教育がされることを認定・奨励するもので、これにより、全ての大学生がデータサイエンスを学ぶ機会を得られるようになります。段階に応じて「リテラシーレベル」と「応用基礎レベル」に分かれており、リテラシーレベルは、内閣府が掲げる「AI戦略 2019」でも、「デジタル社会の基礎知識として身につけるべき」として規定されています。
 

■博士課程学生・博士号取得者等にも育成プログラムを用意

このほか、博士課程学生や博士号取得者など、高度な知識を有する人材の育成プログラムも用意されています。文部科学省が制定した「データ関連人材育成プログラム(Doctoral program for Data-Related InnoVation Expert(D-DRIVE))」では、大学や企業がコンソーシアムを形成して、これらの高度人材に対する研修プログラムを開発・実施し、キャリア開発の支援を行うと謳っています。これを受け、国立大学による「数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアム 」ができ、北海道大学、東京大学、滋賀大学などに、データサイエンス教育研究センターが設置されるようになりました。
 

■高校生にもデータサイエンスを学ぶ機会が与えられる

令和4年度から実施される高等学校の新学習指導要領では、データサイエンスに関わる学習内容が多く含まれ、高校で「情報Ⅰ」の必修化も決まりました。プログラミングやデータサイエンスなど、専門性が高い内容の指導が推奨され、高校生からデータサイエンティストのスキルを身につけられる体制が整ってきています。

 

社会人でもデータサイエンスを学べる大学が急増

 
データサイエンスは、社会人になってからでも学ぶことができます。最近では、国の支援を受けて多くの大学が、本格的な学びの場を提供しています。
 

■データサイエンス学部がある大学
 

日本で初めてデータサイエンス学部を設置した滋賀大学や、首都圏初の横浜市立大学などのほか、データサイエンスの学部・学科を独立させて設けている大学には、以下があります。理系・文系問わず、データサイエンスを専門的に学びたい場合に適しています。
 

●滋賀大学 データサイエンス学部データサイエンス研究科
https://www.ds.shiga-u.ac.jp/

滋賀大学は、2017年に日本で初めてデータサイエンス学部を設置した大学です。情報学、統計学をはじめ、医学、社会学分野で活躍してきた教員、公的機関や企業での豊富な実務経験者、ビジネスの第一人者による指導が強みとなっており、多数の企業連携を行っていることから、データサイエンスの最前線を学ぶことができます。

●横浜市立大学 データサイエンス学部データサイエンス学科
https://www.yokohama-cu.ac.jp/academics/ds/index.html

横浜市立大学は、2018年に首都圏初のデータサイエンス学部を設置しました。PBL(課題解決型学習)を特色としており、文理融合型の学部として、文系の学生が理系の学生と共に、数学やプログラミング等の学びに取り組んでいます。
 

●立正大学 データサイエンス学部データサイエンス学科(2021年4月設置予定)
http://www.ris.ac.jp/ds/ad/lp1/

●武蔵野大学 データサイエンス学部データサイエンス学科 
https://www.musashino-u.ac.jp/academics/faculty/data_science/

●一橋大学ソーシャル・データサイエンス学部・研究科(2023年度に創設予定)
https://www.hit-u.ac.jp/hq-mag/innovation/419_20201224/

●中央大学 理工学部ビジネスデータサイエンス学科
https://ds.r.chuo-u.ac.jp/

●大阪工業大学 情報科学部データサイエンス学科
https://www.oit.ac.jp/is/datascience/           など
 

■文系でも学ぶことができる大学
 

データサイエンスは、あらゆる分野で活用される研究なので、理系・文系の分類によらない学部横断型のプログラムを用意している大学も多くあります。また、特定学科ではなく、多くの研究室で、AIやデータサイエンスを活用した研究を行っている大学もあります。

●東京理科大学(学部横断型データサイエンス教育プログラム)
https://www.tus.ac.jp/academics/education/data_science/

東京理科大学には、在籍するキャンパス、学部学科・研究科専攻に関わらず、数学系、情報系等のデータサイエンスに関する科目を履修することを可能とした「学部横断型プログラム」が用意されています。学部生対象の「基礎」と、大学院生対象の「専門」で構成されています。

●慶應義塾大学 理工学部(AI・データサイエンス関連研究室/AI・データサイエンス関連アクティビティ)
https://entrance.st.keio.ac.jp/

●中央大学(AI・データサイエンスデザインセンター)
https://www.chuo-u.ac.jp/aboutus/efforts/ai_and_ds/    など
 

■関連性の高い学部がある大学

データサイエンスに関連するAIや機械学習、数理科学などを専門的に学べる学部を用意している主な大学としては、以下が挙げられます。

●東京電機大学 システムデザイン工学部 情報システム工学科
https://www.dendai.ac.jp/about/undergraduate/system_design/aj/

●東洋大学 総合情報学部総合情報学科システム情報コース
https://www.toyo.ac.jp/academics/faculty/isa/outline/

●東京理科大学 理学部第一部 応用数学科
https://www.tus.ac.jp/academics/faculty/sciencedivision1/applied_mathmatics/

●同志社大学文化情報学部   
https://www.cis.doshisha.ac.jp/about/

●名古屋大学 情報学部 自然情報学科
https://www.i.nagoya-u.ac.jp/si/ni/        など
 

■社会人向けの大学院も多数   
 

社会人になってからデータサイエンスを目指す人に対して、自分の足りないスキルを身につけるために門戸を開く大学も多くあります。

●滋賀大学大学院 データサイエンス研究科
●横浜市立大学大学院 データサイエンス研究科
●武蔵野大学大学院 データサイエンス研究科
●立教大学大学院 人工知能科学研究科
●大阪経済大学大学院 経営情報研究科
●北九州市立大学大学院 マネジメント研究科
●長野県立大学大学院 健康栄養科学研究科
●和歌山県立医科大学大学院 医学研究科
●滋賀大学大学院 教育学研究科
●東京電機大学大学院 システムデザイン工学研究科
●大阪府立大学大学院 人間社会システム科学研究科
●奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科
●一橋大学大学院 経営管理研究科
●人間総合科学大学大学院 人間総合科学研究科      など

 

まとめ

 
データサイエンスは今後もますます需要が増え、それを社会に実装させるデータサイエンティストも、ニーズが高まる職種です。社会人になってからも、多くの大学やプログラムで学ぶことができるので、今のスキルを活かして転職などを考えている場合は、ぜひ参考にしてください。
 

 

 

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