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研究者に必要な英語力は?採用で有利になる勉強法も

研究者に必要な英語力

科学技術分野をはじめ、さまざまな業種で活躍できる研究者は、英語力が高い方が仕事をスムーズに進めることができ、就職・転職にも有利とされています。研究者に必要な英語力は、英語の論文や文献の読解力のほか、顧客との交渉に必要な専門用語を駆使した会話力など、職種や使うシーンによって異なります。

本記事では、研究者に必要な英語力や採用時に求められるレベル、英語が必要な研究者の業種やビジネスシーン、英語力を高めるための勉強法などを解説します。

研究者が採用されるには英語力が必要か?

 
そもそも研究者に英語力は必要なのでしょうか。採用時に英語力を求められるならば、どの程度のスキルを身につけておくとよいのでしょうか。
 

■英語力を求める企業が増えている

おもに科学技術分野において研究活動を続ける研究者にとって、科学研究は英語が共通言語であることから、最低限の英語力は必要となります。さらに、社会のグローバル化が進み、国際市場で競争する企業では、研究者に高い英語力を求めることが多いのも事実です。採用時からTOEIC600点以上を条件とする企業もあれば、採用時には求められなくても、将来的に英語論文の解釈や海外赴任を命じられて、必要になることも考えられます。また、英語のスキルアップを図ることで、昇進や昇給につながることもあるでしょう。研究者の高い英語力は、必須ではないものの、あるにこしたことはないスキルといえます。
 

■研究者に求められる英語力のレベル

企業が英語力を採用条件に含める場合、一般的にはTOEICのスコアが用いられます。TOEICは、英語を母国語としない人を対象としたコミュニケーション能力を総合的に測るための試験のことで、英語力をどの程度ビジネスに役立てられるかを把握できます。

上場企業や、一般的な英語力を必要とする企業では、履歴書に書いてアピールできる「TOEIC600点以上」を条件とするところが多くなっています。論文や記事の読み書きや聞き取りができ、自分の意見を述べることができるレベルなので、まずはこのレベルを目指すとよいでしょう。

高い英語力を求められる場合は、会話中の長いセンテンスでも細部まで聞き取れるレベルの「TOEIC700~795点」が必要となります。ビジネスにおいて支障のない英語力である「TOEIC800~895点」だと、海外勤務も視野に入れられます。「TOEIC900点~」になると、高度な英文の読み書きができるので、英文公式文書の作成や翻訳なども可能となります。

求められる英語力は、企業や業種、仕事内容によって異なるので、就職や転職時には、条件を確認するようにしましょう。
 

英語力を活かせる研究者・技術職の仕事

 
次に、英語力を活かせる研究者や技術職の職種を紹介します。
 

■ITエンジニア

システムエンジニアやプログラマーなどのITエンジニアは、日々進歩するIT技術の最新情報を確認する必要があります。これらは英語で発信されることが多く、読解力と専門用語の知識が必要となります。海外企業とのやりとりが多い場合は、英語でのコミュニケーション能力も求められます。
 

■医薬品・化学品関係の仕事

医薬品・化学品関連で英語力が求められるのは、医薬情報を提供するMRや、臨床開発モニターのCRAなどが挙げられます。

MRは、最新の医薬品情報を医師に提供するために、医学論文の読解力が求められます。治験が適切に行われているかどうかを監視するCRAは、所属先によって求められる英語力が変わることが多く、外資系企業であれば、英語で専門的な仕事をこなせる能力が必要となります。
 

■海外拠点のあるメーカーの仕事

自動車メーカーや半導体・電子部品のメーカーなど、海外に拠点のあるメーカーの研究者や技術職は、現地スタッフや海外顧客とのやり取りが多くなるので、主に英語によるコミュニケーション能力を求められます。また、英語で専門的な技術を伝えることができるスキルも必要です。
 

■プラント/建築系エンジニア

食品や化学製品、医薬品だけではなく、発電所や石油コンビナートなど大がかりな設備も含めて、海外の工場で働くプラントエンジニアや、ビルなどの建設に携わる建築エンジニアも、英語力が求められます。メーカーの研究者同様、英語の会話力と専門知識は身につけておきましょう。
 

研究者の仕事で英語が必要な場面

 
実際に、研究者が仕事で英語を使うシーンとしては、以下が挙げられます。
 

■英語の論文を読む

研究者にとって、論文を読むことや文献調査は欠かせない仕事のひとつです。また、常に新しい情報を知っておくことも大切で、これらを読み解く読解力と専門知識が必要となります。
 

■メールでのやり取り

海外勤務ではなくても、海外に顧客がいる場合は、日常的にメールなどでやり取りをすることになります。プライベートではなくビジネスシーンなので、メールの文面は、相手に失礼がないような言葉を選ぶ必要があります。また、研究にまつわる専門用語を使って、伝えたい内容を正確にメッセージするための、作文能力も求められます。
 

■海外の取引先とのオンラインミーティング

海外に取引先がある場合は、オンラインミーティングで会話するシーンも多くなります。挨拶や近況伺いなどの日常会話はもちろん、交渉や駆け引きなど、難しい調整が必要になることも多く、高度な会話も可能なビジネス英語のスキルがあると、スムーズに進めることができます。
 

■海外赴任

海外に転勤や出向となった場合は、公私ともに英語となるので、高い英語力が必要です。スタッフや顧客との英語でのやり取りのほか、英語での資料作成、さまざまな交渉・調整、データ管理などが日常の仕事となり、全て英語で対応できるスキルが求められます。
 

研究者に必要な英語力を身につけるには

 
ここからは、基礎的な英語スキルを身につけ、英語力を高める方法を紹介します。
 

■リーディングスキルを鍛える

研究者であれば、論文や文献で情報収集をすることが必須となります。正確にスピーディに文書を理解するためにも、まずはリーディングスキルを向上させることをおすすめします。翻訳ツールなどを利用せずにたくさんの論文を読むことで、専門用語や言い回しにも慣れることができます。
外国人と積極的に会話する

学生であれば学内の留学生、社会人であれば社内や取引先の外国人と、積極的に会話をするようにしましょう。日常的に英語が身近にあることで、リスニング力と話力が高まります。
 

■海外ドラマやオンライン英会話の活用

海外映画やドラマ、オンライン英会話を活用することで、英語に耳を慣らして聞く力を養います。英語独特のイディオムや、トレンド英語なども学ぶことができます。
 

■英語の資格を取る

自分の英語力を確かめるために、英語の資格を取るのもよいでしょう。英語のスキルを確認するには、TOEICのほか、TOEICよりも難易度が高い「TOEFL」、留学や海外赴任移住に必要な英語力を評価する「IELTS」、ビジネスシーンに必要な英語コミュニケーション能力を測る「BULATS」などが適しています。ほかにも、英語のコミュニケーション能力を測る「実用英語技能検定(英検)」、ビジネスシーンでの英語力・ライティングを重視した「日商ビジネス英語検定試験」などもあり、これらの資格を取ることで、就職や転職を有利に進めることができます。
 

研究者には専門性と英語力が必要

 
研究者には英語力も必要ですが、英語はあくまでも仕事をスムーズに進めるためのツールにすぎません。そもそも研究者は、ある特定分野の専門性に秀でた知識や経験の保有者であるべきで、これらを磨くことが重要となります。

就職や転職を成功させるには、英語力だけではなく、本来の専門分野のスキル向上も合わせて努めるようにしましょう。

 

まとめ

 
研究者も、英語力が高い方が、仕事を進める上でも、就職・転職をする際にも有利となります。論文や最新情報を正確に読み取ることができるリーディングスキルのほか、外国人とのやり取りが必要なら、高度な作文力・会話力が必要となります。また、研究者は英語力だけではなく、専門分野の知識や技術の向上も必要なので、両方をセットでスキルアップするようにしましょう。
 

 

 

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