Kaggleとは、AI課題を解決したい企業とデータサイエンティストやAIエンジニア、研究者等とのマッチングプラットフォームのことです。初心者でも実務レベルの知識やスキルを身につけられ、ランク最高位のマスターになると思い通りの転職も可能となります。
ここでは、Kaggleの仕組みや活用するメリット、主な機能などを解説します、
Kaggleとは
Kaggleは、AIのスキルアップや知見獲得に最適とされています。概要を説明しましょう。
■Kaggleの概要
「Kaggle(カグル)」とは、データサイエンティストや機械学習エンジニアと企業をつなぐ、データサイエンスコンペティションプラットフォームです。2010年にサービスを開始して以来世界中で100万人以上が利用しており、世界最大級のコンペサービスと言ってもよいでしょう。
Kaggleでは、コンペに参加することで自分の知識やスキルの向上につながるだけでなく、他の参加者のレベルの高い作品に触れられるので、多くの知見を得ることができます。最近は日本でも、Kaggleを評価基準に導入するIT企業が登場しており、Kaggleで経験を積むことは、機械学習エンジニアやデータサイエンティストの転職やキャリアアップに有利な武器となりそうです。
■Kaggleの仕組み
Kaggleは、企業や政府、大学などのホストがコンペ形式で課題を提示し、参加者がその課題を解決するモデルを構築して他者と精度を競い合う仕組みです。参加者が提出した解決方法はホストによって採点され、ランキング形式でスコアが掲載されます。最も優れたモデルは、金・銀・銅のメダルや、ホストが提供する賞金を得ることができます。また、Kaggleが設定する様々なタスクをクリアすれば、Novice~Grandmasterまで5段階に分かれた称号を得ることが可能です。
Kaggleには、練習用コンペティションやメダル付与の対象となるカテゴリーなど多数のコンペの種類があり、自分のレベルや好みに合わせた難易度や内容を選ぶことができます。
Kaggleを活用するメリット
Kaggleを使うと、以下のようなメリットを得ることができます。
■初心者でも簡単に参加できる
機械学習やデータサイエンスを学び始めて間もない初心者でも、Kaggleは利用できます。Kaggleサイトのcodeタグ内のNotebooksでは、他の参加者が提出したコードを初心者にわかりやすく解説しています。初心者のデータ分析の学習に非常に役に立ち、ワンランク上のエンジニアを目指すことができるでしょう。
■無料でたくさんのことを学べる
Kaggleの利用は全て無料です。お金を払ってスクールなどで学ぶのが一般的な、Pythonを使ったコーディングやモデリング、ディープラーニングなどを無料で学ぶことができます。ハードルが低いので、全く知識がない状態でもトライできます。
■自分の学習を発表してレベルを確認できる
Kaggleでは、自分のアウトプットや学んだことを発表して、レベルを確認することができます。作品が評価されれば、モチベーションアップにもなるでしょう。また、日頃AIに関わる機会が少ない人なら、実践的な学習をすることは難しく活かす場も少ないはずです。AI開発とは無縁で実務経験が無くてもKaggleで経験を積めば、経験を重視する傾向にあるIT業界にキャリアチェンジできる可能性が高まります。
■他者が作成したコードに触れられる
Kaggleでは、世界中の優秀なエンジニアやデータサイエンティストが作成したコードを見ることもできます。これらを参考にすることで、自分が構築したコードをブラッシュアップしていくことも可能です。Discussion機能を使えば世界中の仲間と交流もできるので、アドバイスを受けるのもよいでしょう。
■分析の基本的な考え方が身につく
Kaggleでは、企業や研究機関などが保存している生のデータに触れることができます。学習用ではなく、実務レベルのデータに数多く接することで、分析の基本的な考え方が身につくことでしょう。また、自分の興味関心や得意分野、苦手分野も知ることができ、自身の強みを確立できます。
Kaggleの機能と基本的な使い方
ここからは、Kaggleの登録方法や主な機能を解説します。
■Kaggleに登録する
Kaggleに登録するのは無料で、簡単に登録できます。
①kaggle.comにアクセス
②右上の「Register」ボタンをクリック
③Googleアカウントないしはメールアドレスで登録する
これで登録が完了し、Kaggleのトップページにアクセスできるようになります。
■「Competitions」機能
KaggleホームのTournamentタグから遷移する「Competitions」は、コンペに参加できる機能です。初めてなら、導入となる初心者向けの「タイタニックの生存者予測」や「住宅の販売価格予測」にトライしてみましょう。
「Lively competition」では、現在開催されているコンペティションを確認できます。チャレンジしたいコンペを選んでみましょう。コンペのルールや条件などはそれぞれ異なるので、しっかり確認するようにしましょう。
■「Datasets」機能
「Datasets」は、様々なデータセットを見たり使用したりできる機能です。エンジニアには、コードを書くだけでなくデータセットを使いこなすスキルも必要なので、ここで能力の向上を目指すのもよいでしょう。
Datasetsでは、自分のデータセットを追加・公開・共有できるほか、他の人が公開したデータセットをダウンロードできます。投票機能もあるので、気に入ったデータセットがあったら提供者に感謝の意を込めて投票しましょう。
■「Code(Notebook・Kernel)」機能
「Code」は、機械学習コードを検索できる機能で、他者のコードと自分との違いを比較することで、ブラッシュアップが可能となります。NotebookやKernel と呼ばれることもあります。
「+ New Notebook」で新しいNotebookを作成でき、「Your work」で進捗をいつでも確認できます。公開・共有もでき、公開したコードに投票され一定数以上の票が集まると、メダルを獲得できます。
■「Discussion」機能
「Discussion」は、Kaggleに参加しているエンジニアやデータサイエンティストとディスカッションできる場です。わからないことを質問したり、気になるコードなどについて議論したりします。一般的なフォーラムや技術的なQ&Aなど、ディスカッションの内容に応じて分かれています。
DiscussionもDatasetsやNotebookと同様に投票機能があり、一定数以上の投票を得られるとメダルを獲得できます。
■「Cources」機能
「Cources」では、PythonやSQL、自然言語処理など、AI開発に必要な知識を学ぶことができます。コースを修了するたびに修了証を獲得できるので、学習の進度を証明できます。
Kaggleマスターになれば、転職も圧倒的有利に
前述したように、Kaggleでは参加者のランク付けがあります。コミュニティに参加した時点でもらえる「Novice」を入口として、Kaggleの理解度が高まると「Contributor」、1つ以上の専門知識のカテゴリでKaggleに関する重要タスクを完了した人がもらえる「Expert」へと、順にランクが上がっていきます。
また、Kaggleに関する1つ以上の専門知識のカテゴリで卓越性を実証した人がもらえる「Master」になると、マスター限定のコンペに参加できるようになります。さらに最高位の「Grandmaster」は、Kaggleの専門知識の1つ以上のカテゴリで、一貫して卓越したパフォーマンスを実証した人がもらえるランクです。
日本国内のマスタークラスは100人に満たないとされており、マスターになると転職も非常に有利となります。Kaggleマスターを採用したいという企業は数多く、マスターになればどの企業でも転職できると言っても過言ではないでしょう。
転職を思い通りに進めたいなら、Kaggleマスターを目標に、まずは最初の一歩を踏み出してみませんか。
まとめ
Kaggleは、初心者から上級者まで利用しており、世界中のトップレベルのデータサイエンティストも参加しているので、情報収集の場としても活用できます。知識やスキルを身につけながらランクを上げていくと、転職を有利に進める武器にもなります。他業界で働いていて実務経験がなくても、機械学習などの経験を積むことができるので、キャリアチェンジも可能です。AI業界で希望通りの転職を望むなら、気軽にKaggleにトライしてみましょう。
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